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世界の片隅にあの家族が暮らし、生きている。
そう想う一瞬、なんだか心がすっと軽くなる。
―― 石川直樹さん(写真家)

 

姉妹がこぼした大量の蜂蜜が、まだ私の胸からぬぐいとられていない。夏の光を幻の杯に受け、
ごくごくと飲みほす、まろやかな少女の肢体。光を浴びて生きよ、と声がする。
―― 小池昌代さん(詩人・作家)

 

夏が終わると、新しい世界が見えてくる。いつの時代も、少女たちは夏を経て大人になっていく。
―― 古内一絵さん(作家)

 

主人公ジェルソミーナの夏は、誰もが通り過ぎた夏だ。子どもには子どもだけの大事な秘密があって、それは大人になってく世界への僕らなりの抵抗だった。遠く離れたイタリアの景色が不思議と自分の記憶に重なっていった。
―― 小島ケイタニーラブさん(ミュージシャン)

 

強くて美しい少女、ジェルソミーナは、日々の生活から、野性の力を身を以て熟知している。彼女が日々直面する、自然を相手にする肉体労働と家族関係、ハードな現実に、映像を通して感情移入していると、数々繰り広げられるシュールなシーンや個性的な人々の登場で、するりと厳しいムードから解放されるから爽快だ。トスカーナの自然を背景に繰り広げられる、ある家族の夏の経験。家の中の世界と、そとの世界を行き来しながら生きている彼女が、心が迷ったり、しかられたりする姿が眩しい。少年少女時代は、違う体験を通して、共通した教訓をだれもが学ぶもの。人に遥か昔の体験を想起させるこんな手法があったのかと、それぞれのシーンを観ていて感心した。主演のマリア・アレクサンドラ・ルングの素晴らしい存在感は、この時期の彼女にしか表すことができなかっただろう。生命力に溢れ、生々しくて勇気があって素敵だ。
―― 在本彌生さん(写真家)

 

新鮮でいて懐かしさを感じる物語です。画面からは、するはずのない匂いや香りが芳醇に、強烈に溢れてきます。そして、モニカ・ベルッチの聖なる美と内面の俗っぽさにめまいが。
―― 松尾貴史さん(俳優)

 

「父と子」、ぽつねんとする観後感。
間違いなくイタリアネオリアリスモの系譜だが、
このハートフルは若い女性監督ゆえ。
影のないモニカ・ベルッチも見もの。
―― 原マスミさん(ミュージシャン)